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2023.7.18
#02「Karu-stretchⅡ」
「Karu-stretch Ⅱ」
前回、形は異なれど、共鳴し合うアイデンティティに触れていった。
今回はテックシーンの真骨頂であり、その大半を担う素材について。
alk phenix で多用される「Karu stretch Ⅱ」。
聞きなれないワードだと思ったのが、最初の印象だった。
しかし、そこにはデザイナーが思う、気遣いとも呼べる配慮がなされていた。
そしてそれは、現場(アウトドアシーン)で培ってきた経験値。
様々なストレスから解放される話であった。
インタビュアー(以下、イ)
素材についての今回ですが、正直初めて聞いた時に聞きなれない素材名というのが正直な 印象でした。
そして、最初からⅡとのことだったので、何かアップデートされたりしたのか聞きたく思っ ていました。
川久保(以下、川)
Karu stretch Ⅱというのは、自社開発されたオリジナル生地なんです。
名前の通りストレッチがきいているのですが、ストレッチがきいたテック素材ならたくさんある。
ただ僕が欲しかったのは、シボ感のあるワッシャー生地。
それに大きな理由があって、しわを気にしなくていいイージーケアの側面と、alk phenix のお家芸でもあるトランスフォームパターン。
これは裏返したり畳んだりなど、動きがあるので、張りのあるツルツルした表情だと織りジワが目立ったりと、神経質な人だと気にしてしまうと思うんです。
それを解消したくて、スキーウエアの生地開発と同じプロダクションバックグラウンドで 再開発しました。
イ:
なるほど。
そうですね、僕だったら気になってしまうかも…
特に今また旅行に行けるようになったので、そういった実用的過ぎるシーンでも発揮しますね。
そして気になっていたのが、Ⅰとは何が違うのかなという点です。
川:
2022AWに再始動して、いきなりⅡなので、そのタイミングで知った人からすると、何が何だかですよね。
実際にⅠはあったのですが、Ⅱに変わる時に、alk phenix 特有の理由もありアップデートしました。
大きな違いは生地の厚みなんです。
必然的にウェイトは上がりますが、耐久度が増し、山に行っても問題がない仕様になりました。
そして、ここからが alk phenix 特有の話なのですが、バックボーンにあるスキーウェアにまつわる仕様の影響が大きいんです。
スキーウエアで軽量化のためによく使う仕様で、宮大工の木組み技術のようにポケットを精密にはめ込むという少し複雑なステッチワークを採用している為、生地自体にも強度を求める故に、厚みが必要になりました。
自分たちの根幹にあるカルチャーを大事にしているので、こういった一目では分からない仕様が施されているのも、このブランドの特徴なんです。
イ:
ただ単に強度を増しましたの話で終わらないのがさすがです。
こういったスキーウェアの基準などがあったりするんでしょうか?
川:
生地の検査だけでも15項目くらいの基準値があるんですが、こちらに関しては他の PHENIX ブランド達も含めて、専門の検査機関で全てクリアしています。
スポーツウェアでありながら、山に登り、そして雪というものも想定すると、それは命に直結する話でもあります。
こちらに関しては、本当に理解してクリアしていかないといけないと、厳しく捉えています。
イ:
アウトドアブランドの講習に行った時にも、その命を守るというお話を聞いたことがあります。
自分たちの命を守る上で、常に最良の選択をしてくださいという話を、こういった細かな仕様の部分で聞けたことが非常に感動しました。
ありがとうございました。
川:
時代がどれだけ希薄になろうとも守るべきものは、自分達で理解して守らないとですよね。
それは街でも山でも変わらず、常に備えておけるという装備と気持ちが大事に思います。
壮大な話にしてしまうと大げさに聞こえるが、自然と対峙するブランドの方と話すとここに行き着くことはある。
特に alk phenix のように、身体的負荷を考慮したブランドであれば、それは自然環境においても、街にいても向き合っていく話になる。
誰もそこまで気にしないでしょ?を気にするか否か。
ただ言えるのは、常に前進するには更新が必要。
更新には何が必要か?
それは隙間を埋め、高いボーダーラインで更新していくこと。
細部にこだわり抜いた者にこそ、次のステージは映し出されるのだ。
Text:Takahiro Kudose(TEENY RANCH)
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